むかつくけどその通りだわな

日本の(残念ながら)家電業界は終わっている/明日はフィギュアスケート女子ファイナル | 堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」

日本のメーカーで開発やってる身としては見ず知らずの野郎にこうも言われると2,3発ぶん殴らないと収まらない衝動に駆られるわけですが、まあ言ってることは正しい。実に正しい。むかつくけど。正しいと認めることとむかつくことのどっちに重きを置いていいかわからない。まあ正しいからむかつくんだよ。それは分かっている。

まず価格と品質について。

そんなにテレビを見るわけではないので海外製品と日本製品の品質がどの程度差があるかは知らないけど、現実として品質が低いはずの海外製品がそれなりに受け入れられているという現実に目を向けるべき。過剰品質という現実を「高付加価値」という言葉でごまかしているに過ぎないということを日本のメーカーはもっと認識した方がいい。「よりよい品質のものをより安価に」で世界を席巻してきた国じゃなかったのかね日本は。

品質については

自宅にあるパナソニックの65V型TVに載っているネット閲覧機能は「アクトビラ」。
PS3もあるけど。操作性はイマイチ。反応遅いし。んで、伝統的なテレビリモコンは操作性最悪。
ということで日本の家電は「トホホ」なんです。「アクトビラ」とかマジ、トホホです。ほんと、寂しくなる。

どれも持っていないけど、どの家電も似たようなもの。「なんでこんなアホみたいな状態遷移なんだよ」「なんで今時赤外線リモコンなんだよレスポンス悪すぎんだろ」とか考えるのは常々で、けど未だに改善される気配がないのは何故なんだろう。何万円何十万円するテレビに無線リモコンの部品代が多少上乗せされたって大して影響ないのに。液晶付きのリモコンを作って番組表は手元で確認できた方がよほど便利なはずなのにどうしてそう言うのが出てこないのか。そのくせ誰が使うのかわからない余計な機能は山盛りでコスト高に貢献してたりするし、わけがわからない。

なんというかメーカーを現場レベルを見ていると、かってに改蔵で部長が言っていた「意外性を求めすぎてぶっ壊れていく漫画家」という状態に近いんだと思う。もっと使う人間の立場に立った本質的なものづくりに立ち返らないと。一度も使わない余計な機能とか乗っけなくていいですから。製品比較表で○×ゲームするのはもう止めましょう。

あとは組織的に開発するときのしがらみに縛られて誰も彼もが思うように動けてないのが原因かなあ、というのもある。以前書いたように製品の開発初期段階では意志決定に関わる人間は少なければ少ないほどいい。組織が太りすぎているといろんな方向から横やりが入りすぎてせっかくまともに作られた初期コンセプトがぐずぐずにされてしまう。

けどそれをもって「さよなら。家電大国日本。」とか言われると、まあやっぱり2,3発ぶん殴りたくはなる。それで今が旬の業界にばかり目を向けていたら、結局美味しいところをつまみ食いしてるだけじゃねーかと感じる。経営者のビジョンてそういうもんなの? 0からビルドしてやろうって気概はないのかね。そういう思いで戦っている人間がいることも忘れないで欲しいんだ。